ある晩年



止むことのない雨
豪雨になって

やっと だった
渾身 願い 祈り
やっと 
夫を永遠の旅路へと送り出し
彼女も 決然と徘徊の旅に出た

ここはどこ?
わたしは?
出口は?

今日も また
あすも また

夕焼け はるか
晩鐘が そっと
余韻を乗せて漕ぎ寄せてくる
胸に両手を合わせる と
全身に万感の潮が満ちてきた

喜びの
悲しみの
あのとき あの頃

だれでも独り ホームレス

彼女は シワだらけの心身を拭って
安堵の波間に 
裸身をゆったり ゆったりと横たえた
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プロフィール

toruta

Author:toruta
・1934(昭和9年)8月 東京生まれ
・1992(平成4年)3月 詩集「仮面中毒」上梓
◇詩空間は「青年」の発信広場。すこし齢を重ねましたが、私の「青年」はいま真っ盛りです。
◇私は敗戦後70年を遍歴した者として、身近にこぼれた諸現象を、腰を屈めてたぐっていきたいと考えています。

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