顔の雑草


人の顔は 狭いながらも大自然の裏庭だ
手入れを怠ると
それっ とばかりに雑草が繁茂する

人はだれでも 
剃っても 剃っても
剃りきれない古傷を 
髭の根元に秘めている 
それが 絶え間もなく雑草を発芽させるのだ

加齢とともに
髭の伸びが加速しだした
わたしの余命を察知して
がぜん
わたしと一緒に
命の末をまっとうするつもりなのか

そろそろ 
閻魔がわたしを盗みにやってくる
髭を丹念に剃り落として
半世紀も前のわたしの
男前を鏡に残しておこう

古傷は寝かしつけよ
ねんごろに子守歌を聴かせつづけよ

時間がよどみはじめて
古い掛け時計が ふっと停まった
鏡には 雑草が繁茂した裏庭が
 
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プロフィール

toruta

Author:toruta
・1934(昭和9年)8月 東京生まれ
・1992(平成4年)3月 詩集「仮面中毒」上梓
◇詩空間は「青年」の発信広場。すこし齢を重ねましたが、私の「青年」はいま真っ盛りです。
◇私は敗戦後70年を遍歴した者として、身近にこぼれた諸現象を、腰を屈めてたぐっていきたいと考えています。

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