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ゴリラのひと声(改)


ゴリラが背伸びして
こちらを覗きながらドラ声を発した
ついに 地球が痙攣を起こしてしまった

大津波が
人々を 村々を 陸を海を 呑みつくし
原発が
人々を 村々を 陸を海を 汚染しつくした

起て! 世界の生き物よ
種の発生以来 寡黙を貫いてきたゴリラだが
緊急発信した
おれたち 行動すべきときがきた

訥(とつ)弁のひと声こそ

壊滅した原子力発電所
その中で
養殖された大量のホタルによって
家々の居間に明かりが灯った

汚染に追われたクジラが
大挙して寄港してきた
その腹に避難していた村人を乗せて

村の樹々に小鳥の声が芽吹いてきた

ゼンマイ仕掛けのオスプレイが
子どもらに追われて
枝から枝へ 飛び回っている

平穏が驟雨となって降り注ぐなか
「神を恐れよ」 と
ゴリラ 最後のだみ声を残して
もとの密林へと還っていった
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プロフィール

toruta

Author:toruta
・1934(昭和9年)8月 東京生まれ
・1992(平成4年)3月 詩集「仮面中毒」上梓
◇詩空間は「青年」の発信広場。すこし齢を重ねましたが、私の「青年」はいま真っ盛りです。
◇私は敗戦後70年を遍歴した者として、身近にこぼれた諸現象を、腰を屈めてたぐっていきたいと考えています。

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