傲慢だけが

赤字まみれの家が激しく燃えている
燃えきれない一家が
債務を抱えたまゝころげ出てきた

消火のさなか
太った熱帯魚たちが
われ勝ちに 水草の株をついばんでいる

荒涼が吹き抜ける路地裏
悲嘆でずぶ濡れのその一家が
当てもなく さ迷っている と

おい こら 
生存許可証を提示せよ

腹を満たせば 無銭罪 
個人的自衛権を行使すれば 妨害罪
ふて寝をすれば 浮浪罪

たどり着いた収容所
朝から行き倒れの搬入がつづく
夜は夜で 歯ぎしりの大合唱

個人と個人 国家と国家の間でも
ますます拡がる隔たりに
傲慢だけが棲みついて

おい こら
生存許可証を提示せよ

悲憤の燃え殻が 
いたるところで くすぶっている



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プロフィール

toruta

Author:toruta
・1934(昭和9年)8月 東京生まれ
・1992(平成4年)3月 詩集「仮面中毒」上梓
◇詩空間は「青年」の発信広場。すこし齢を重ねましたが、私の「青年」はいま真っ盛りです。
◇私は敗戦後70年を遍歴した者として、身近にこぼれた諸現象を、腰を屈めてたぐっていきたいと考えています。

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