みんなが同族

宇宙の片隅に
科学技術の王国がある と聞いた
その果実をみんなで頬ばりあっている とも聞いた

彼女 希望の翼いっぱいに広げて 
伸びやかに…

まるで楽園だった
全員参加で仮面大会を催していた
連日連夜 一年中
歯列に配置された監視カメラから
みんなの秘密をみんなで守るため と知った

運動の盛んな国だった
スポーツジムはどこも満杯
大通りにはジョギングの列が延々と
連日連夜 一年中
ロボット依存で劣化した筋力を
蘇生するための共同作業 と知った

みんな 自分の内部を深い濠で囲んでいた
強者から勝者へ 
弱者から敗者へ 
すべてが予定どうりに決まっていくのだから
濠は 牙をさえぎるみんなの分別 と知った

なにから なにまで
一斉に同じ方向へ走り出す
一卵性のクローン族

超高層ビル群の屋上で
ただ独り とり残された彼女は
ふるさとへの追憶に乳首を含ませながら
ひたすら待っている
ひたすら 帰還の翼を待っている

 
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プロフィール

toruta

Author:toruta
・1934(昭和9年)8月 東京生まれ
・1992(平成4年)3月 詩集「仮面中毒」上梓
◇詩空間は「青年」の発信広場。すこし齢を重ねましたが、私の「青年」はいま真っ盛りです。
◇私は敗戦後70年を遍歴した者として、身近にこぼれた諸現象を、腰を屈めてたぐっていきたいと考えています。

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