サソリの季節

春風の芽摘みをしよう
と街へ出た とたん
尻がむず痒くなった
サソリに噛みつかれた兆候だ

もぞもぞと 尻尾が伸びてくる
頬ばってしまえ
サソリのくぐもった声に
尻をからげたまま
独り ぽくぽくと尻尾をむさぼる
(投資だ 享楽だ ギャンブルだ)

すってんてん

ならば と
サソリの魂胆が冴える
尻を少しずつ (パーセントで)
少しずつ カンナで削りとってくる

なくなってしまった

その耳に聴こえるか
春風に乗せて
魅惑のセレナーデが奏でられているのを
サソリの奴
見さかいもなく
人々のささやかな夢に潜りこむ

間断なく降りしきる桜花
夢心地がずぶ濡れになる
ほら また尻がむず痒くなってきた
もぞもぞ もぞもぞ
尻尾も伸びてきた
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ジャンル : 小説・文学

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プロフィール

toruta

Author:toruta
・1934(昭和9年)8月 東京生まれ
・1992(平成4年)3月 詩集「仮面中毒」上梓
◇詩空間は「青年」の発信広場。すこし齢を重ねましたが、私の「青年」はいま真っ盛りです。
◇私は敗戦後70年を遍歴した者として、身近にこぼれた諸現象を、腰を屈めてたぐっていきたいと考えています。

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