冬いろ

だれが雪を白いろときめたのか
雪は雪いろ

盲目の少女の瞳に降りしきる小雪
萎えた眼窩(がんか)に小指を遊ばせながら
彼女は冬を耐えた

だれが恋をバラ色とよんだのか
恋は恋いろ

見知らぬ王子への愛を書き上げたころ
季節めぐりてまた冬がきて
木枯らし広場に一人 とり残された彼女

とめどなく降りかかる失意をぬぐって
ようやく迎えた静謐のひととき

少女は陽だまりにうずくまり
あすの小指に
爪いろのマニュキアを塗りはじめる

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ジャンル : 小説・文学

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プロフィール

toruta

Author:toruta
・1934(昭和9年)8月 東京生まれ
・1992(平成4年)3月 詩集「仮面中毒」上梓
◇詩空間は「青年」の発信広場。すこし齢を重ねましたが、私の「青年」はいま真っ盛りです。
◇私は敗戦後70年を遍歴した者として、身近にこぼれた諸現象を、腰を屈めてたぐっていきたいと考えています。

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