自画像

知ってるか
人生はグラスであることを
ゆえに 破局は唐突にやってくる
それゆえ
自分をもう一つ遺しておこうと思う

過去を裏返して しばし冥想

悲しみを喉まで詰めこんで
陰鬱の森をさ迷っていた

廃屋があった
ぼくの遍歴が
埃まみれに積み上げられていた

再生作業に取りかかる
大変だ千本もある
(だれかが ドア・ホーンを鳴らしている)
まだ輪郭もできていないのに
(だれかが 玄関に入ってきた)
駄目だ もう間に合わない

とっさに塗りつぶす
過去のすべてを塗りつぶす
すると もうひとつのぼくの輪郭が

間一髪だった
グラスが唐突に砕け散った
玄関に しわくちゃなぼくが落ちていた
 
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テーマ :
ジャンル : 小説・文学

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プロフィール

toruta

Author:toruta
・1934(昭和9年)8月 東京生まれ
・1992(平成4年)3月 詩集「仮面中毒」上梓
◇詩空間は「青年」の発信広場。すこし齢を重ねましたが、私の「青年」はいま真っ盛りです。
◇私は敗戦後70年を遍歴した者として、身近にこぼれた諸現象を、腰を屈めてたぐっていきたいと考えています。

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