林檎の正体

ベットに林檎が堕ちてきた
紅を塗りたくりながら
誰でもいいから わたしを齧ってちょうだい

こんな幸運
ほんとうによいのだろうか

おなたの厚着がもどかしい
ぼくのせっかちが もっともどかしい
齧るって難しい

朝になって林檎がいない
ベットに 接吻があわただしく置かれている
林檎に齧られた受難者がいた

窓を開くと 曇天
鳶(とび)が一匹
空高く 輪を描いて飛んでいた

 [らくがき] 檸檬(レモン)だったらよかった かも
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ジャンル : 小説・文学

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プロフィール

toruta

Author:toruta
・1934(昭和9年)8月 東京生まれ
・1992(平成4年)3月 詩集「仮面中毒」上梓
◇詩空間は「青年」の発信広場。すこし齢を重ねましたが、私の「青年」はいま真っ盛りです。
◇私は敗戦後70年を遍歴した者として、身近にこぼれた諸現象を、腰を屈めてたぐっていきたいと考えています。

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