あの音

なにかがない と気づいた
麦藁帽子から
絶え間なく聴こえていた あの妙なる音
そうだった
過ぎし日 七夕列車の網棚に載せた あの音
いま どこを走っているのだろう

帽子へ 帽子の中へ
探索の旅に出た

脳みそを脱いで北極星に吊るすと
ああ 涼しい風だ
空っぽになった頭のなかを
そよ風の物語が吹き抜けていく

(あれから幾光年も経ってしまった)

宇宙の帽子から
微かにこぼれてくる あの音
列車はいま どこを走っているのだろう
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ジャンル : 小説・文学

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プロフィール

toruta

Author:toruta
・1934(昭和9年)8月 東京生まれ
・1992(平成4年)3月 詩集「仮面中毒」上梓
◇詩空間は「青年」の発信広場。すこし齢を重ねましたが、私の「青年」はいま真っ盛りです。
◇私は敗戦後70年を遍歴した者として、身近にこぼれた諸現象を、腰を屈めてたぐっていきたいと考えています。

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