遠い近景

遠吠えの敵とばかり戦ってきたので
ひどい遠視になってしまった

あっ 老樹に不良少年がよじ登っているのが見える
またなにか 悪事を楽しむつもりだ
胸奥につらい記憶を仕掛けて逃げていった

永遠の恋人像を幹に吊るして
ひねもす ニュートンになっていたが
いくら待ってもパンティが落ちてこない
地球もだいぶ老化してしまったらしい

どんなに疼いても
その樹は抜かないでもらいたい
大地に繋がる遺された一本だから
流浪の魂の 最後の砦なのだから

どこから忍び込んだのだろう
誰かが 横臥するわたしに腰掛けて一服点けている
どうやら ひと仕事終えたようだ

暗黒のムーンヴァレーよ 霧の波止場よ
掌をかざすと
あ 虚実の方舟が待っているのが見える
満員の魂たちが
息をひそめて わたしの到着を待っている
  
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ジャンル : 小説・文学

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プロフィール

toruta

Author:toruta
・1934(昭和9年)8月 東京生まれ
・1992(平成4年)3月 詩集「仮面中毒」上梓
◇詩空間は「青年」の発信広場。すこし齢を重ねましたが、私の「青年」はいま真っ盛りです。
◇私は敗戦後70年を遍歴した者として、身近にこぼれた諸現象を、腰を屈めてたぐっていきたいと考えています。

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