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それ行け どんどん


立て続けに打ち揚がる
魂胆のアドバルーン
ゆらり ゆらり
日本列島が
雨天に揺れていた

法の道理 民の疑念に
猫かぶり はぐらかし
あげくの果ての蛮行で
いつもと同じ 台本どうりに

輪転機も 電波も
公平中立の建て前で
ものも申さず
淡々と

列島が
積極平和の
虚空高くへ舞い上がっていく
知らぬ間に
どんどん と

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双子鬼


指先ひとつ
無人機で追跡
自分のいのちを晒さずに 大殺戮
ゲーム感覚で

身も心も一つに束ねて
人混みの真っ只中へ
自分のいのちを潰して 大殺戮
一途に
偉大なる神のみもとへ

スマホ 万歳


(ながら川)
なにがそんなに楽しいのか
歩きながら 大声で
自分の耳と話しながら 
人が流れていく

なにをそんなに悩んでいるのか
歩きながら 人とぶつかっても
深々とうなだれながら 
人が流れ 流れていく

相関図Ⅱ


(平等法)
女性はもっぱら男の子を
男性はもっぱら 
女の子を 産むことになった

(品定め)
蝶は華麗なダンスで
さんざん気を惹いたあげく
急旋回
未踏の奥地へ飛んでいってしまった

(雲行き)
気をつけろ
暗闇に潜んでいる嫉妬が
朝の扉が開くのを じっと待っている

(もしも)
妻の連射するグチに
重度のうつ病に罹ってしまった
おれを 厨房に入れないでくれ
そこには刃物が揃っている

(予測外)
見事 高層マンションを入手したお二人
だったが
突然の三角関係の大揺れで
彼は妻を突き落とし
見事 自分も転落を果たした

(寿)
海辺で朝餉をとる老夫妻
銅鑼を鳴らして遠ざかる
幾歳月のあれこれを
ゆらり ゆらりと味わっている
 
プロフィール

toruta

Author:toruta
・1934(昭和9年)8月 東京生まれ
・1992(平成4年)3月 詩集「仮面中毒」上梓
◇詩空間は「青年」の発信広場。すこし齢を重ねましたが、私の「青年」はいま真っ盛りです。
◇私は敗戦後70年を遍歴した者として、身近にこぼれた諸現象を、腰を屈めてたぐっていきたいと考えています。

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