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突風吹いて


人は 記憶の狭間に
なんと多くの悔恨を
置き去りにして来たことか
時として
彼らが突風となって
人々の背を叩きつづける

ならば よし
記憶のあちこちに罠を仕掛けて
一網打尽
生け捕ってしまおう

採集された悔恨たち
隙間だらけの謙遜ごっこ
渦巻いたり
増殖し合って
吹き溜まったり

とっぷりと暮れゆく街角
悔恨たちを満載した突風が
次々と
記憶の国境から吹き出ていく

新たな悔恨を抱えた人々を
置き去りにして
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相関図(男と女)


(本音)
男性は
女性が好きだが おんなは嫌いだ
女性は
おとこの腕力を頼るが
男性の資力こそが大好きだ

(リセット法)
男は 森の土中深く女を寝かしつける
女は
偽の妊娠を告げて 他の男のもとに走る

(勘違い)
あなたは
間違いなくあなた なのに
わたしは
あなた無しでは わたしではない

(平穏)
彼女が
沈黙を相手に しゃべり続けている
その間
彼氏は 耳にタコを栽培している

(無常)
熟柿を一つだけ遺して
最後の朽ち葉が ぽとりと落ちた

のどかさこそ


矢継ぎ早に発表される超技術
そのたびに
人々はどよめき
人類の叡智を自賛しあう

磁力で車体を浮かせたまゝ
全長280キロを
時速500キロ 40分で駆け抜ける
これぞ夢の超技術

だが リニア・カーよ
地に足も着けずに
そんなに急いで どうするの?
そこだけ時間を稼いでも

日本一美しい南アルプスの山々
その内臓をくり抜いて
250キロのトンネルをめぐらせる
乗客はもっぱら
絶景の 内側の 暗黒を楽しむ

難工事が待ち受けている
固い地盤 ほとばしる地下水
掘削土を運ぶ千台ものダンプカーが
山裾を数珠つなぎで爆走する
景観が マスクを着けて顔をそむけている

過剰な「利益」に追い立てられて
みるみる劣化していく大自然
次から次と
重なるスピードに支配されて
人たる生活を減退させていく人々

渾身の気合を込めて
山々に共存のエールを送った
その声が
森を越え 湖を越え
南アルプスの山々へ
のどかに
の ど か に伝播していった


プロフィール

toruta

Author:toruta
・1934(昭和9年)8月 東京生まれ
・1992(平成4年)3月 詩集「仮面中毒」上梓
◇詩空間は「青年」の発信広場。すこし齢を重ねましたが、私の「青年」はいま真っ盛りです。
◇私は敗戦後70年を遍歴した者として、身近にこぼれた諸現象を、腰を屈めてたぐっていきたいと考えています。

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