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「影」の魔力


きらめくネオンに酔った帰り道
気づかぬまま
長々と延びる影に
たぐられてしまった
山裾へ 森の奥へと

影を踏む そのたびに
自分の影が背後に消えて
薄くなりながら従いていく

大地のツボに耳を当てつつ
慎重に 一歩 一歩
秘密のゾーンに近づいていく影

そこで
かぐや姫を夢見る白い乙女たち
射し込む月のかけらを
宝石箱に集めて培養している
老婆になったのも気づかぬまま

そこに 押しこまれた行方不明の人たち
失った各自の影を頼りに
この先 いかに生きるべきか
または いかに逝くべきか
毎日 毎時 毎秒
討論をつづけている
過ぎゆく世紀を忘れ果てて

煌々と冴え渡る月光が
森の体温を奪っていく
徐々に
影の魔力をいっそう濃くしながら
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合唱団の歌唱力


優美な海岸線に
傲然と居座る原発群
「安全だよ 安全だよ」 と
歌い上げる合唱団に誘われて
続々と 列島の海辺に配置された

突如 2011年3月 フクシマ原発
技術の神から苛烈な審判が下された

汚染地を捨てて 逃避する住民15万人
遠くへ 遠くへと 見失った明日を探しに

それでも 合唱団
「原発は もう大丈夫
世界でいちばん厳しい基準ができてから」
核の危険性がなくなった?
住民の避難対策は? テロへの対応は?

それでも 合唱団
「原発がいちばん安上がりだよ
稼動させないと電気代がハネ上るよ」
どうする
廃棄物や使用済み燃料の処理費用を
貯まった原爆6千発分のプルトニュームを

それでも 合唱団
「なによりも 目先の経済が第一 第一だ」 と
その歌唱が
国民の隙間を縫って広がっていく
必須問題は 棚上げ 先送り
ままならぬ廃炉処理もさて置いて

合唱団が国の専属で 
国が合唱団の専属で
合唱が終章に近づくにつれ
原発再稼動の認可が着々と進んでいく

プロフィール

toruta

Author:toruta
・1934(昭和9年)8月 東京生まれ
・1992(平成4年)3月 詩集「仮面中毒」上梓
◇詩空間は「青年」の発信広場。すこし齢を重ねましたが、私の「青年」はいま真っ盛りです。
◇私は敗戦後70年を遍歴した者として、身近にこぼれた諸現象を、腰を屈めてたぐっていきたいと考えています。

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