祭り(偽装社会①)


かの国の子どもたち
家々から駄菓子をねだる
その夜を

待っていました
この国の
にわかクリスチャン数千人
スクランブル交差点を埋めつくす

くり抜きカボチャの仲間たち
ごろごろ ゴロゴロ
抱き合い ぶつかり合いの
空騒ぎ

いいじゃないか いじゃないか
つらい現世を乗り越えて
非正規の身分も踏みつけて
妖怪・魔女になりきれれば
ええじゃないか えじゃないか

世界の数ある祭事の
(クリスマスも バレンタインも…)
商的仕掛けを盛り上げる
おれたちゃ みんな祭り好き

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新天地へ


累々と積み重ねた
前借り 前々借り 前々々に耐えかねて
家が 家々が 家々々が
大音響をあげて倒壊した

地下エネルギーも枯渇して
「原子力」の増設ラッシュ ラッシュ
地球がひび割れてきた

もうダメだ
すべての核を
地下深く廃棄してしまえ
数十万年後に免罪されるまで

さあ われわれは
宇宙へ 別の惑星へ 
無垢な 青い空と緑豊かな星々に囲まれた
われらの新天地へ

さらば 
相次ぐ殺人ゲームで
怨念が立ちこめる墓碑銘群よ

さらば 
尽きぬ強欲で
庶民らの格差を仕掛ける者たちよ

さようなら
未練を包んで残してきた
亡き愛妻との悲喜こもごもよ

なにもかも 一刹那のことだった
あれも 現われては消え
これも 現われては消えて

園丁の旅


かつては果樹園の園丁だった
肥沃な土地をはぐくみ
たわわな実りを
青空いっぱいに散りばめる
幸せな日々を送っていた

自然の劣化が加速して
どもりのコオロギが
隙間風のように啼きはじめた

山裾の豊かな草地に
のどかな時間を食む
放し飼いされた羊の群れ
その一匹になって 旅を重ねた

安らぎの懐を探し当てた
懐かしい寓話が霧となって流れる森だ
樹々の幹から
小鳥たちのさえずりが湧き出ている

大地に両脚を植えた
こうして 日向ぼっこをしながら
待っていよう
こうして 森の摂理を呼吸しながら
待っていよう

両脚に 根が生えるまで
両腕に 抱えきれない果実が実るまで

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プロフィール

toruta

Author:toruta
・1934(昭和9年)8月 東京生まれ
・1992(平成4年)3月 詩集「仮面中毒」上梓
◇詩空間は「青年」の発信広場。すこし齢を重ねましたが、私の「青年」はいま真っ盛りです。
◇私は敗戦後70年を遍歴した者として、身近にこぼれた諸現象を、腰を屈めてたぐっていきたいと考えています。

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