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古屋敷


歳月を齧るうちに
脳みそもいっしょに頬ばってしまった

占いをし過ぎて
水晶玉も混濁してしまった
天国が逆さまに霞んで見える

泣けるかどうか 鏡に泣いてみる

肋骨に蔦がからまっている
掻き分けて奥を覗きこむと
こころざしが 満帆のまま錨を降ろしている
(なんだ そこに居たのか)

わだかまりが腫れて 膨れて
掻けば掻くほど
あ 剥がれてしまった
目玉が 頭髪が…

ころげ落ちた頭蓋の広場で
大観衆が
床を踏み鳴らしてゴスペルを歌っている

庭師を呼んでくれ
脳細胞を剪定してもらってくれ
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最後の最後

女が匂うと
つい港町に潜りたくなり
やっと辿りついた女と
べったりと寝て
別れる
別れるその前に 最後のもう一回
追加して
孤独の渚に打ち上げられる

これで最後
おぼろげに心に決めて
別れのグラスをぐいと呑み干し
年増にからんで
前歯をへし折られる

これがほんとの最後
ピンピンの紙幣が一枚
小便かけて邪険に捨てる
捨てないで やっぱ
女を拾う

これこそ最後 と言って
彼 溺死してみる

テーマ : 詩・想
ジャンル : 小説・文学

同伴者

ぼくの体積に収めきれなくなったものが
外へ 外へと生えてくる
切っても切っても 生えてくる

波打ちぎわで転げている あれは
格闘のすえ
ぼくが放り投げたお前だ

返り血を夕陽で洗い流すと
海一面が茜色に染まった

これでよしと 立ち上がる

背中の継ぎ目からまた生えてくる

ぼくが逃げると一緒に駆けた
ぼくが嘆くと一緒に泣いた

風呂敷に包んで持ち歩く
はてな と
結び目から様子をうかがうお前
たがいに不審を投げかけながら
そわそわと 

漂泊の村

この村は地図に載っていなかった
住人も海岸線も
刻々と寸法を変えてしまうから

たそがれの輪郭をした男に道を尋ねた
真っすぐ行きなせぇ
荒波に削られた絶壁に出るがよぅ
そこを どこまでも真っすぐ行きなせぇ

断崖を覗きこんで
ためらっている二つ首の生物がいた
乳飲み子を抱いた病める母親

太陽がこなごなに砕け散った海上を
三角波になって浮遊する家並み
指に水掻きをつけた村人が
顔をのっぺらぼうに延ばしてそぞろ歩いている

あかね色の水平線を目指した巡礼の
長い 長い列が行く
先頭から順に溶けていく
人も海水も同じ属性だから

かもめの群れが 急降下を繰り返している
プロフィール

toruta

Author:toruta
・1934(昭和9年)8月 東京生まれ
・1992(平成4年)3月 詩集「仮面中毒」上梓
◇詩空間は「青年」の発信広場。すこし齢を重ねましたが、私の「青年」はいま真っ盛りです。
◇私は敗戦後70年を遍歴した者として、身近にこぼれた諸現象を、腰を屈めてたぐっていきたいと考えています。

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