唯一の解


計算問題の解を二つ書いて
受験に失敗した彼
何ごとも 解は一つと心得てしまった

先の大戦の
迫りくる敗戦の局面で
彼がとった解が ただ一つ
本土上陸までの時間稼ぎ
住民を盾に
沖縄を捨て石にする こと
二十万人の いのちを捨てさせて

《これまで
この国の一員として
ふさわしい扱いがあっただろうか
たとえ束の間でも》

地球上 唯一の
悪魔の 狂気を投下した国の 彼と
投下された国の 彼
その彼と彼が
結託して
さんざん蹂躙した沖縄に
さらなる解を強要している
「唯一の」 「唯一の」 と裏声を響かせながら

《とにかく 埋め立てさえしてしまえば》と

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スマホ万歳Ⅲ


 (あれれ?)

スマホゲームに血眼になり過ぎて
視力を紛失してしまった孫が
あれ?
スマホと一緒
トイレに駆け込んだまま
まだ 出てこない

便意を捨てて
便器に坐って
スマホの中の 視力を探して

失われた希少金属の
鉱脈を発見したらしい
旧石器時代に捨てられたスマホの山を

ゲームに迷い込んでいた

 

スマホ万歳(Ⅱ)


(究極の楽しみ方)

通勤電車の乗客が
一斉に
スマホに時間を注いでいる
人生の
消耗戦に没頭しているのだ

めりめりと
大切な残り時間が
縮む 縮んでゆく
そうした楽しみ方も
また よし

だが
たまには目線を上げて
世界の覇権争いにも
参加したらどうだろう
際限のない
各国のトリックゲーム

刻々と
破滅してゆく世界に
遭遇できる
この恐怖を
手に汗して楽しめるハズだ
 

対策


許さない!
屈しない!
断固戦う! などなど

箇条書きの
勇猛な言葉 だけが
ごった返している

どうする?

血気の強行採決
「もぐら叩き」に専念せよ
一億総活躍で

格差の構造


[絶対差]
スーパーで
目玉商品を漁っているときも
電磁取引で
数億円を稼いでいる人たちがいる

[いつもながら]
紙をどんどん刷って
資産価値を吊上げ 吊り上げ

毎度お騒がせ しながら
廃品業者に
こぼれ落ちた衆愚を回収させている

[最低賃金]
弱者は 時間を赤字にして働き
強者に 黒字を貢いでいる

[成金者]
贅沢こそ豊かさと思い込んでいる
儲けのあぶくを総身に浴びて
びしょ濡れの優越感に浸っている

[入れ替え] 
夕闇の海中へモルディブの島々が
身もだえしながら沈んでいった

夜が明けると
近くの海上に
広大な軍事施設が浮上してきた



プロフィール

toruta

Author:toruta
・1934(昭和9年)8月 東京生まれ
・1992(平成4年)3月 詩集「仮面中毒」上梓
◇詩空間は「青年」の発信広場。すこし齢を重ねましたが、私の「青年」はいま真っ盛りです。
◇私は敗戦後70年を遍歴した者として、身近にこぼれた諸現象を、腰を屈めてたぐっていきたいと考えています。

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